ゲームの開発者がゲーム攻略サイトを作るという発想:攻略でありながら構造解析であり、設計者視点でのリバースエンジニアリング - IG wiki

ゲームの開発者がゲーム攻略サイトを作るという発想:攻略でありながら構造解析であり、設計者視点でのリバースエンジニアリング

IGジャパンは、ゲームの開発、ゲーム関連デバイスの情報紹介、ゲームの攻略情報の掲載等を行っています。

開発者が攻略サイトを作るという発想

ゲームの攻略情報というと、一般的には「モンスターの倒し方」や「おすすめ装備の紹介」といった、プレイヤー向けのノウハウが中心になります。しかしこの攻略という行為は、実はゲームの構造そのものを読み解く行為でもあります。

ゲームの開発者にとってみれば「なぜこの敵はこのタイミングで攻撃してくるのか」「どうしてこの装備はこういうステータスなのか」といった設計意図の裏側を読み取ることができます。これを言い換えると、開発者によるゲームの攻略サイトの開発は、ゲームの攻略情報の開発であると同時にゲームそのものの構造解析であり、ゲームの設計者視点でのゲームの開発ができる、(リバースエンジニアリング)ということでもあるのです。

ゲームを攻略しつつ、ゲームの構造を理解してゲームの開発につなげる

ゲームの開発者ならではの視点でゲームを攻略することができるので、ゲームの開発者がゲームの攻略サイトを開発することはゲームの構造理解と自身・自社のゲーム開発にプラスに働くことになると考えています。

攻略記事を書くことで「プレイヤーの視点」を体験できる

普段開発者としてゲームを作っていると、「プレイヤーがどう感じるか」よりも「どう実装するか」に意識が向きがちです。
しかし攻略サイトを運営すると、プレイヤーが何を知りたがり、どこでつまずき、どう考えるかを可視化できます。

この体験は、ゲーム開発において極めて重要です。なぜなら、「どんな遊ばれ方をするか」を知らなければ、「どう遊ばせるか」は設計できないからです。

遊びを分析できるほうが、より良い遊びを作れる

攻略サイトを運営することで得られる最大の価値は、「遊びを分解し、それを再構築する力」が身につくことです。
この力は、渡地たち自身のゲームにも、アセットにも、記事にも反映されていきます。

実は、攻略ブログは開発者のトレーニングでもある

攻略サイトを運営していて、もう一つ強く感じたのは、開発力自体が上がるということです。

  • 他人のゲーム設計を言語化・分解することで、設計目線が鋭くなる
  • プレイヤーがどこで詰まるか、どう感じるかを理解できるようになる
  • UI、チューニング、誘導設計、すべてが教材になる

つまり攻略ブログを書くことは、遊ばれ方を学び、より良い遊びを設計するための自己訓練になります。

攻略記事をきっかけにゲームを「遊ぶ側」からゲームを「作る側」へ導く

私たちは攻略サイトを運営していると同時に、ゲームの開発ブログも運営しています。

攻略情報を探しているユーザーの中には、「自分でもこういうゲームを作ってみたい」と感じ始める人が、実は少なからずいます。
そういった人たちに対して、“作る側への第一歩”になるような開発記事へのリンクや参考情報を自然に差し込むことで、
「プレイヤー」から「開発者」へと視野を広げるきっかけを提供することができます。

ゲームの開発人口を増やすことでゲームの市場そのものも技術向上文化的価値の向上につながるうえ、個人でのゲーム開発スキルは個人開発者の人生の視野を広げられる試みです。

開発者集団による攻略サイトは、教育的な価値も持つ

IGの攻略サイトは、ゲームを深く理解したい人、将来的に開発に関わりたい人、既に開発をしているが他作品の設計に学びたい人、そういった層に向けて、知識と気づきを提供する場にもなります。

  • 設計意図を読み解くことで、ゲームに対する見方が変わる
  • 分解された構造を再現することで、実装力が鍛えられる
  • 攻略と開発の往復によって、企画・調整・UXの理解が深まる

私たちは、「攻略サイト=情報消費の場」ではなく、「構造理解と創作支援の場」としても運営していきます。

まとめ

IGの提供するゲーム攻略サイトは単なるゲームの攻略サイトということではなく、その後のゲームの開発にもつながる、付加価値のあるものにできたらよいなと思っています。