ゲーミングPCのパフォーマンスを語るうえで、CPUやGPUと並んで重要なのが**RAM(メモリ)**です。十分なRAMがあることで、ゲームの読み込み速度や動作の安定性が向上し、快適なプレイ環境を実現できます。
RAMの役割とは?
RAMは、ゲーム中に必要なデータを一時的に保存する「作業台」のような役割を果たします。ゲーム内のマップ情報、テクスチャ、物理演算の処理などがRAMに読み込まれ、CPUやGPUと連携して高速に処理されます。
容量が多ければ多いほど、一度に処理できる情報量が増えるため、可能な限りメモリが多いほど高性能なパソコンになります。メモリが多すぎたからといって性能面でマイナスになることは特にないため、メモリ容量に迷ったら多めのメモリを選んでおくのがおすすめです。
ゲーミングPCに必要なRAM容量
ゲームの種類 | 推奨RAM容量 |
---|---|
軽量なインディーゲーム | 8GB |
一般的な3Dゲーム | 16GB |
最新のAAAタイトルや配信・録画同時実行 | 32GB |
高解像度のVRや4Kゲーム | 32GB〜64GB |
メモリは一般的には16GBあれば十分ですが、複数の作業をしながらゲームをプレイする場合にはメモリが圧迫されるので、将来性やマルチタスク(配信・録画・ボイスチャットなど)を考えると32GB以上が安心です。
RAMの速度(クロック周波数)も重要
RAMには「◯◯MHz」といった動作クロックがあります。一般的なゲーミングPCでは3200MHz〜6000MHzが使用されます。
ただし、RAMの速度向上によるゲームパフォーマンスの影響は、CPUやGPUほど劇的ではないため、予算に応じて選ぶのがベターです。
シングルチャネル vs デュアルチャネル
RAMは「シングルチャネル」と「デュアルチャネル(2枚組)」という構成があります。
デュアルチャネル構成の方が、帯域幅が広がりデータ転送が高速化されるため、ゲームでもメリットがあります。
例:
- 16GB×1枚 → シングルチャネル
- 8GB×2枚 → デュアルチャネル(同じ合計容量でも速度・効率が良い)
DDR4とDDR5の違い
現在主流のRAM規格には以下の2つがあります:
項目 | DDR4 | DDR5 |
---|---|---|
最大帯域幅 | 約25.6GB/s | 約38.4GB/s以上 |
クロック周波数 | 2133〜3600MHz程度 | 4800〜8000MHz以上 |
消費電力 | やや高め | 低消費電力設計 |
DDR5は次世代規格として注目されていますが、対応マザーボードや価格の問題もあるため、現時点ではDDR4でも十分なケースが多いです。
DDRってなに?
「DDR」とは、Double Data Rate(ダブルデータレート)の略で、RAM(メモリ)の動作方式のひとつです。
一度のクロックで2回データを転送できる技術で、以前の「SDR(Single Data Rate)」に比べて2倍のデータ転送速度を実現しています。
DDRは世代ごとに進化しており、現在主流なのは「DDR4」や「DDR5」です。
数字が大きくなるほど、高速かつ省電力になっていくのが特徴です。
2025年6月時点では、DDR5が最新世代になります。
世代 | 主な特徴 | 利用時期 |
---|---|---|
DDR(初代) | 初期のDDRメモリ | 2000年代前半 |
DDR2 | 帯域幅が倍増 | 2000年代中頃 |
DDR3 | 低消費電力、高速化 | 2010年前後 |
DDR4 | 高速で主流 | 2015年〜現在も多くのPCで使用 |
DDR5 | 最新規格、より高速・高効率 | 2022年頃〜現在のハイエンド向け |
メモリの選び方について
ゲーミングPCにおいてメモリ(RAM)は、快適なプレイ環境を支える重要なパーツの一つです。ゲームの動作速度や安定性に直結するため、容量や速度、構成などをバランスよく選ぶことが求められます。メモリ選びのポイントについて解説します。
容量の目安は16GB以上が基本
最新のゲームタイトルでは、8GBでは足りない場面が多くなってきています。快適なゲームプレイを実現するには、最低でも16GBを搭載するのが現代のスタンダードです。配信や録画、マルチタスクを行う場合は、32GB以上を視野に入れましょう。
メモリの速度にも注目しよう
RAMの性能は容量だけでなく、動作周波数(MHz)によっても左右されます。DDR4なら3200MHz以上、DDR5なら4800MHz以上が一般的なゲーミング用途の基準。速度が高いほど、データ転送がスムーズになり、ロード時間や全体の処理速度が向上します。
デュアルチャネル構成がおすすめ
メモリは2枚1組で使う「デュアルチャネル」にすると、帯域幅が倍になりパフォーマンスが向上します。たとえば、16GBなら16GB×1枚より8GB×2枚の構成の方が望ましいです。対応マザーボードであれば、自動的に最適化されます。
将来の増設も見越してスロットを確認
これはメモリの選び方ではなく、メモリを設置するマザーボードについてですが、購入時点で足りていても、後々メモリを増設したくなることがあります。そのため、メモリスロットに空きがある構成や、最大容量に余裕のあるマザーボードを選ぶと安心です。特に長期的に使うゲーミングPCなら、拡張性は重要な判断材料になります。
まとめ:ゲーミングPCに最適なRAMとは?
- 最低限16GB(デュアルチャネル)を目安に
- 余裕があれば32GBでマルチタスクや将来のゲームに備える
- クロック周波数は3200MHz〜4800MHz程度でバランス重視
- 最新構成ならDDR5も検討価値あり(対応マザボが必要)
ゲームだけでなく、配信・録画・編集までこなすなら、RAMの選択が快適さに大きく影響します。パーツ選びの際は、容量・速度・構成のバランスを意識しましょう。