CPUとは何か?
CPU(中央演算処理装置)は、パソコンにおける「計算・判断・指示」の中心的な存在です。人間でいえば“脳”にあたり、ソフトウェアやOS、ゲームなどすべての処理命令を実行しています。
では、実際にどんな機能を担っているのでしょうか? 以下に具体例を挙げながら解説していきます。
アプリケーションの処理を行う
WordやExcel、Google Chromeなど、あらゆるアプリの操作はCPUによって支えられています。
ファイルの開閉、スクロール、文字入力、計算処理など、表面的には“軽作業”に見える操作も、裏ではすべてCPUが命令を実行しているのです。
OSの動作をコントロールする
WindowsやmacOS、LinuxなどのOS(オペレーティングシステム)も、CPUがなければ動作できません。
タスクの切り替えやメモリ管理、USBの認識、電源管理など、OSが行うあらゆるシステム処理をCPUが司令塔として処理しています。
ゲームの演算処理を担当する
3Dゲームなどでは、グラフィックはGPUが処理するものの、敵キャラのAI、物理演算、弾道計算、スコア管理、イベント制御などはCPUが担います。
フレームレート(FPS)の安定にも関わるため、ゲームの快適性はGPUだけでなくCPUの処理能力にも大きく依存しています。
画像・動画編集やエンコード処理を実行
動画のカット・書き出しやエフェクトの適用といった編集作業では、CPUが高負荷の演算処理を大量に行います。
特に**CPUエンコード(H.264/HEVCなど)**の場合、GPUではなくCPUのマルチコア性能が直接レンダリング速度や出力時間に影響します。
セキュリティ処理や暗号化
ウイルススキャンやリアルタイム保護、データの暗号化・復号化もCPUの仕事です。
セキュリティソフトがバックグラウンドで動いているとき、PCが重くなるのはCPU負荷が高まっているため。近年はこの種の処理に特化した命令セット(AES-NIなど)も搭載されています。
周辺機器とのやり取りの司令塔
マウスやキーボード、ストレージ、ネットワークなど、外部デバイスからの入力・出力を管理しているのもCPUです。
USBで接続されたデバイスの認識やデータ転送、Bluetooth通信、Wi-Fi通信の初期処理なども、最終的にはCPUが制御しています。
内蔵GPU(iGPU)による映像出力・軽作業支援
内蔵GPU(iGPU)を搭載しているCPUであれば、映像出力や軽い動画再生・2Dゲーム処理もCPU単体で対応可能です。
特にIntel Core UltraシリーズのようにArcベースの高性能iGPUを搭載したCPUでは、ちょっとした3DゲームやAV1エンコードも行えます。
マルチタスクの制御・最適化
複数のアプリを同時に起動しても動作が重くならないのは、CPUが処理を「スレッド単位」で効率よく分配・管理しているからです。
これにより、Webブラウジングをしながら音楽を再生し、裏で動画をエンコードする…といったマルチタスクも快適に実現できています。
まとめ:すべての処理の「実行役」がCPU
CPUは単なるチップではなく、パソコンという機械の「すべての動作を実行する中心的存在」です。ゲーム・動画・ネット・仕事…どんな目的であれ、パフォーマンスの満足度はCPUの性能に強く左右されるといっても過言ではありません。
今後PCを購入・カスタマイズする際は、CPUの機能や役割を理解したうえで選ぶことが、後悔しないパーツ選びの第一歩になります。