CPUの選び方とCPUの性能(ベンチマーク)まとめ - IGジャパン

CPUの選び方とCPUの性能(ベンチマーク)まとめ

CPUの役割とは

CPU(中央演算処理装置)は、パソコン全体の処理を司る「頭脳」にあたるパーツです。ゲームやクリエイティブ作業のパフォーマンス、OSの動作速度など、あらゆる作業の快適さに直結します。どのCPUを選ぶかは、用途や予算によって大きく変わってきます。

CPU選びで注目すべきポイント

CPUを選ぶ際には、以下の項目に注目すると、自分に合ったモデルを選びやすくなります。

コア数・スレッド数:マルチタスク性能の決め手

ゲームの快適さだけでなく、配信や編集作業を同時にこなすならコア数・スレッド数は非常に重要です。ゲーミング用途では6〜8コア、配信・編集では12コア以上あると余裕を持って処理できます。スレッド数も多いほど同時処理に強くなります。

クロック周波数(GHz):処理速度に影響

CPUの動作周波数は、単体の処理速度を表します。クロック数が高いほど、ゲーム中のフレームレートが安定しやすく、軽い作業の反応もスムーズになります。ただし、同じGHzでも世代やアーキテクチャによって性能差が出る点に注意が必要です。

アーキテクチャ(世代):進化の指標

CPUは世代ごとに処理効率や消費電力、対応規格が進化しています。Intel第12世代以降は「Pコア+Eコア」のハイブリッド構成が特徴で、RyzenもAM5対応で性能向上。新世代ほど同じスペックでも実効性能が高く、省電力設計がされています。

TDP(熱設計電力):冷却と電源の選定に影響

TDPはCPUの消費電力と発熱の目安を示す指標で、高性能なCPUほどTDPも大きくなります。TDPが高いCPUを使う場合は、冷却性能の高いCPUクーラーや十分な容量の電源ユニットが必要になります。

ソケット規格:マザーボードとの互換性に注意

CPUごとに物理的な接続規格(ソケット)が異なるため、マザーボードとの対応を確認することは必須です。IntelならLGA1700、AMDならAM4やAM5など、対応ソケットの確認とマザボ側のBIOSバージョンにも注意しましょう。

内蔵GPU(iGPU)の有無:Core Ultraは例外的に高性能

内蔵GPUはCPU内に統合されたグラフィック機能で、外部グラボなしでも映像出力が可能になります。通常、ゲーミングPCでは外部GPUを使うため不要とされがちですが、トラブル時や省電力作業には有効です。

特にIntel Core Ultraシリーズは、従来のUHDではなく、Arcベースの高性能iGPUを搭載しており、軽めのゲームやAV1エンコード、GPU支援処理などもこなせます。グラボが不要な環境では非常にコスパが高く、サブ機や省スペースPCにおすすめです。

用途別おすすめCPU

ゲーミング重視:

  • Intel Core i5-14600K(高コスパ・高クロック)
  • AMD Ryzen 5 7600X(最新ゲームに強い)

ゲーム+配信・録画:

  • Intel Core i7-14700K(20スレッド以上で余裕あり)
  • AMD Ryzen 7 7700X(安定したマルチタスク性能)

動画編集・3D制作向け:

  • Intel Core i9-14900K(24コア構成で圧倒的性能)
  • AMD Ryzen 9 7950X(高マルチ性能と長時間作業に強い)

AMDとIntel CPUの違い

AMDとIntelはCPU市場を代表する2大メーカーで、それぞれに強みがあります。Intelは高いシングルコア性能と安定したゲームパフォーマンスが特徴で、最新のハイブリッドアーキテクチャも魅力です。一方、AMDはコスパの良さとマルチコア性能に優れ、動画編集や配信との相性が良いのが強みです。用途や予算に応じて、最適なブランドを選ぶことが重要です。

CPUベンチマーク比較(参考値)

※以下は「Cinebench R23 マルチスレッドスコア」に基づく参考値です。

CPUモデルコア / スレッドスコア(参考)
Core i5-14600K14 / 20約22,000
Core i7-14700K20 / 28約30,000
Core i9-14900K24 / 32約38,000
Ryzen 5 7600X6 / 12約15,000
Ryzen 7 7700X8 / 16約20,000
Ryzen 9 7950X16 / 32約38,000

※参考サイト:


世代ごとの進化と注意点

CPUは新世代になるたびに性能だけでなく、ソケットや対応メモリ(例:DDR5)も変わっていきます。将来的な拡張やアップグレードを見据えるなら、最新世代+最新プラットフォームの組み合わせが無難です。


最後に:ベンチマークはあくまで目安

ベンチマークスコアは参考になりますが、実際の使用感とは異なる場合もあります。例えば、ゲームではシングルコア性能やGPU依存の影響も大きく、動画編集ではメモリやストレージ速度も関与します。最も重要なのは「自分の用途に合っているか」を見極めることです。